悲嘆と恐慌を飲み下し、目の前の物語に最良《ハッピーエンド》を


悲しみだけ観測して
そいつを”利口”と言うのなら
この手に降る喜びは
行き場もなく惑うだけさ

嗚呼 だからこそ
少しでいい、はしゃいでいよう? 一緒に
心はすぐ 悲しみ湛え
喜びが零れてゆくけれど

その目が輝きを失くさぬように
歓喜の歌 伝えたい
――悲劇の可能性などは知らないから――
そんな顔してみせるよ

気づいてるよ
日常(しあわせ)の崩壊は いつも痛烈だ
あの無力だった僕を
貴方に見せられはしない

さあ 駆け出そう
震える手を抑え 差し出す その裏で
この場所と そして貴方と
失うことを怖がっていたんだ

恐れが落とす影を 掻き消すように
歓喜の歌 泣き喚く
悲劇の確率を 確かめて 拒んで
望むものも 見えない

喜劇求めること 全て
やめてしまえたら――

それでも やめないよ?

無数の刃さえも 抱きとめながら
身体に埋(うず)めて 笑う
見据えた恐れが 胸をえぐるけれど
それこそが 喜劇を指し示す

紡ぐよ 絶望に裏付けられた希望の歌 軽やかに!
悲劇の道筋を 見つめて 対峙した
楽園を観るために